Live Englishオンライン英会話の皆さんこんにちは。カナダより講師のHarumiです。
前回「英語が聞き取れない、致命的な理由 (前半)」で目で見る英語と耳で聞く英語には大きなギャップがあるということをお話ししましたね。
今回の後半では、英語が聞き取れない理由の3番目と4番目の「リンキング」と「リダクション」についてお話ししたいと思います。ぜひ最後までお付き合いくださいね!
リンキング
“リンキング” とは一つ一つの単語を独立したものと扱わず、出来る限り繋げて音を滑らかにし発音し易くすることです。
英語を発音しやすくするため母音で始まる単語がある場合、その前の子音と音を繋げます。これをリエゾン(liaison)とも言います。音節は子音・母音、子音・母音と音が続くと言いやすいため日本語も(ア行以外の)音をローマ字で表記すると子音・母音と続きます。やまもとのYA・MA・MO・TOもこの子音母音のパターンですね。
例えば、母音で始まる単語(hour, acidic, elephant, impossible, oven, unlimited)に不定冠詞 aを付ける場合、発音をしやすくするために aをan に変えると皆さんもきっと習いましたよね。たしかに、a unlimited だと非常に発音しづらいです。これはその子音のNを次の母音に繋げて発音し易くする役目があります。ですが、An hourをアン・アワーのように発音していたらその繋げる役目を十分に果たせていません。
その場合は、発音がカタカナで表すとこのように変わります。
An hour――> a nowr アナーワ
An oven――> a noven アナーヴェン
An image――> a nimage アニーマッジュ
このように音を繋げて発音し、音を滑らかにするのが、リンキングです。
このリンキングを説明するためによく使われる例文があります。
Can I have a bit of egg?
Ca ni HA va bi ta VEG?
ネイティブスピーカーが発音すると、「キャン・アイ・ハヴ・ア・ビット・オヴ・エッグ」からほど遠い「キャナイハヴァビラヴェグ」となるのです。
リダクション
私も英語講師になるまで知りませんでしたが、英語には内容語(content word)と機能語(function word)の二種類の単語があり、簡単にまとめると意味を理解する上で重要なのが内容語で、センテンスの流れや単語間の関係を示すのが機能語です。
内容語が意味を負い、より大事な役目を果たすためにストレスがのります。何を伝えたいのかによって重要とされる単語も変わるためセンテンスによって変わりますが、概して名詞、動詞と形容詞が内容語のケースが多いです。機能語は冠詞、助動詞、前置詞、代名詞など。
ただし、一つの単語にストレスを乗せると言う事は他のストレスの置かれていない単語を弱く発音する事になります。声を小さく、低く、またその単語を早く発音するので「もごもご」にしか聞こえない場合が多い。これがリダクションです。
皆さん既にご存じの
going to do ~ → gonna do ~
want to do ~ → wanna do ~
などですが、ここでは説明しきれないほど沢山リダクションされている単語があります。Toはtの音だけに、Forはf、The はthになるようなケースです。
実は以下の3文の下線部、まったく違う文章なのに、リダクションされると発音が全く同じなんです。わかりやすく表記するなら “WADAZI” となります。この例ではその後の動詞のTO DOがそれぞれ違う形になっていますが、ネイティブ英語スピーカーはこの後に続く単語のdo, doing, doneによってその前の単語を理解しているのです。
What does he do on weekends?
What is he doing this weekend?
What has he done over the weekend?
また、リンキングなくしてリダクションは語れません。
I am trying to find some eggs so I can make an omelette. のセンテンスにリンキングとリダクションが加わると実際に発音されるのは、このようになるのです。
I’m tryna fine somegg so I c’ mayka nomelette.
これは私の専門分野ではありませんのでより上手く説明してくれている動画を紹介します。(イントネーション全般、リンキングもリダクションにも触れる: ハダール先生参考動画)
“The glass is on the table.”の発音について詳しく説明していますので、よかったら見てみてくださいね。
また、内容語なしに機能語だけをネイティブに聞かせても聞き取れないのです。しかし内容語を含めた全センテンスになると一気に理解できる。これを実験したのが発音の先生のRachelです : ネイティブが聞き取れない機能語、参考動画
リスニングの精度をあげるためにはどんな学習がよいか?
では、このような聞き取りのスキルを身に付けるには実際どうすれば良いでしょう?
私のレッスンの受ける生徒さんにはしつこいほど言っていますが、週に数回レッスンするだけでは英語は伸びません。毎日聞き取ってしゃべって頂きたいものです。独り言でも良いのです。とにかく喋る。10分でも15分でも時間のある時、毎日心がけて下さい。
1. Listen/Pause/Repeat法
その他、具体的な方法として、シャドーイングの一種であるListen/Pause/Repeat法があります。
TedTalk等の動画、もしくはお好きなポッドキャストを利用して、ネイティブの言っている事を音として聞き取りそれを繰り返す。繰り返している時はその文章の意味が分からなくても良いのです。後からスクリプトを見てもよいですが、まずは音として体験することが大切。
ご存知のようにTedTalk はスピーチです。大勢の方に伝えたいことがあり、聞き取りやすいように丁寧に話していますので、残念ながら普段の会話とは遠い物です。なのでTed Talkなどでこれが出来るようになったら、普通のテレビのコメディやドラマに切り替えると良いでしょう。
参考動画をご紹介しておきます: https://www.youtube.com/watch?v=ljEP_ywBm7I
5分あたりからオプション2で説明があります。自分の声を録音して聞いて練習してみて下さい。
2. 毎日の生活に英語を積極的に取り入れる
レッスン以外の時間でも、英語を話す時間を作るのは簡単です。この参考動画をぜひ全部みて頂きたいのですが、特に7分あたりから、レイチェルは洗濯をしながらナレーションしています。How to THINK in English
動画では声に出していませんが、これをぜひ声にして実行してみてください。朝起きたら自分のしている事、考えている事をナレーションしてみて下さい。
”I’m getting up now. What shall I have for breakfast? I’m not too hungry. Maybe just some coffee and toast. What shall I wear today? It’s going to be too hot for that jacket. I hope it doesn’t rain again…”
文法が正しいか正しくないかは気にせず、とにかく口を英語に慣らして、自然に自分の思っている事を表現する練習です。
特に2つ目は、いつでもどこでも一人でできる練習ですので、ぜひ今日から1日5分でも取り入れてみてください。正しい英語、自然な英語はレッスンで先生がお手伝いします。まずは、空き時間で英語を口に出し、英語の音に慣れる時間を作っていきましょう。地道な努力は、必ず1年後のあなたの英語力を大きく変えます。
やり方や練習方法に質問があれば、ぜひレッスンで私に質問くださいね!次回のレッスンも楽しみにしています。